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「感染症BCP」は慎重に

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感染拡大を防ぐのが重要

介護サービスを利用している人の多くは高齢者です。高齢者は感染症に対する抵抗力が弱いといわれているため、感染症に対するBCPの策定は慎重に行う必要があります。いかにして感染を防ぐか、万が一、施設内に感染者が出た場合、サービスを継続しながらどのようにして感染の拡大を防ぐのか、体制を構築していかなければなりません。
感染症の拡大を防ぐためにも流行に関する正確な情報を集め、その都度適切な判断を下すことが必要です。もちろん、感染予防対策も重要ですし、業務を継続するためには職員をどうやって回していくか、という問題もあります。
そのため、感染症BCPの策定にあたっては以下の4点がポイントになります。

感染拡大を防ぐのが重要

体制の構築

まずは施設・事業所内を含めた関係者で情報を共有し、役割分担や意思決定ができる体制を構築しましょう。感染者が出た場合に迅速に対応できるように全体の意思決定者を決め、誰が何をするのかを関係者の連絡先を整理しながら明確にしておきます。
それから、消毒液や防護服など必要な備品を整理し、マスクの着用や体調管理など感染防止対策を定めます。その際、認知症などマスクの着用が困難な利用者の対応をどうするのかも検討しておかなければなりません。

緊急時(感染時)の対応について

利用者や職員が感染した場合、まず報告・情報共有が必要です。責任者への報告のほか、医療機関や利用者の家族など、あらかじめ決めておいた連絡先に報告します。また、施設内で状況を共有して職員が冷静に対応できるようにすることも大切です。
感染者や濃厚接触者がいた場合、あらかじめ設定した隔離方法に従って隔離し、感染者を担当する職員の業務や行動範囲を他の職員と明確に区別しなければなりません。また、居室や共有スペースは消毒して感染の拡大を防ぎます。基礎疾患を持っている利用者や妊娠している職員はリスクが高くなるため、十分な注意が必要です。

職員を確保する

職員自身が感染したり、濃厚接触者になったりした場合は出勤できません。そのため、そのような事態に備えて職員を確保する体制を整えておく必要があります。職員を確保できなければ現場で働いている職員1人ひとりの負担が増しますし、感染の懸念などから過重労働になったりメンタルに大きな打撃を与える可能性があります。職員同士でこまめにコミュニケーションを取り、相談窓口を設置するなどの対策も必要です。

業務の優先順位を整理する

感染症が発生したら通常業務に加え、清掃や消毒、サービスを利用する家族への情報提供などの業務が増えます。職員が感染した場合は人数も限られてしまうため、業務が増えても少ない人数で回すことになりますが、それではサービスの質が低下してしまう可能性もあります。そうならないためにも優先順位をつけて整理しましょう。生活に直結する食事や排泄介助などはできるだけ通常通りに行い、緊急性の低いリハビリやレクリエーションなどは回数や頻度を調整しましょう。出勤率をイメージして「継続する業務」「縮小する業務」「停止する業務」に振りわけておくといざという時に慌てずに済みます。